すると、首にかけたものの正体が分かるなり、はのんちゃんが驚いたように勢いよく振り返った。
「これ、私に? 誕生日でもないのにどうして」
振り返った勢いで、胸元のシルバーのハートがきらりとその存在を主張する。
想像どおり、いや想像以上に似合っている。
やっぱりこのネックレスにして正解だった。
「ずっと、俺もはのんちゃんになにか形に残るものをプレゼントしたいなって思ってたんだ」
さっき、はのんちゃんがネクタイショップでプレゼントを探しているのを待つ間、隣接していたアクセサリーショップに並ぶこのネックレスが目に留まり、即決だった。
「でもこれ、すごく高いやつじゃない……!」
「はのんちゃんに似合うなって思ったから」
はのんちゃんに似合うものはなんでも俺が贈りたいなんて、そんな願いは欲張りすぎだろうか。


