※彼の愛情表現は、少しだけ重すぎる。







その後、ひびが入ってしまっていたらしいはのんちゃんのお弁当箱を買い換え、用事を終えた俺たちは、ショッピングモールを出た。


太陽の位置はまだ高い。

お昼を食べずに少し早く切り上げたのは、この後はのんちゃんに、お父さんの誕生日パーティーの予定が入っているからだ。


最寄り駅に着くと、はのんちゃんがICカードのチャージに向かった。


それを待つ間、もう何度目か分からないけれど、俺は手首に着いた宝物に視線を落とした。


何度見ても、それは消えることなく俺の手首で輝いていて、こんなに素敵な贈り物が自分のものなんだと実感するたびに自然と頬が緩んでしまう。


やがてチャージを終えたはのんちゃんが戻ってきて、ふたりで下り電車に乗り込んだ。


混んだ電車内の中、奥に進むことはできなくて、入り口付近で並んで立つ。

人混みの中、俺とはのんちゃんの距離はおのずと近くなる。


人混みから視線を逃がすように持ちあげると、清涼飲料水や旅行の広告が並ぶ中、ふと鮮やかな写真が掲載された中吊りが目に留まった。


ひまわりさんの写真で見たことがある。

あの、夜空に咲くひまわりのような光は花火だ。