「でもさぁ、私なんて関ヶ原の時も城攻めにあってるから、実は3回も攻められてるんだよね〜。
すごくない!?」
お初さんはめっちゃ軽く言った。
「しかも3回目は落城せずに乗り切ったからね!
なんかもう、怖い者なしだよね!」
関ヶ原の戦いの時、お初さんが嫁いでいる京極家は東軍にも西軍にもつかず近江の大津城に籠城して中立を保った。
この時代、中立は許されない事だったので、近くにいた東軍に囲まれてひどい攻撃を受けた。
しかしながら京極家が籠城した事で西軍がそれ以上進軍できなかったということもあり、結果東軍の役に立ったということで、京極家は制裁を免れた。
「まぁ、うちは巻き込まれた感じだから最悪茶々姉か江のどっちかが助けてくれると思ってたしね!あはは!」

浅井家の姉妹はとことん波瀾万丈である。
「すごいなぁ、お初さんは。
強いし明るいしうつわが大きくてそんけいする」
この先どんな困難が降りかかって来るかはわからない。
でもこんな風に乗り越えていければ。
千姫は心の底から思った。