豊臣家にその事態が報告されたのは千姫が8歳になったばかりの4月のことであった。
武家伝奏(てんそう)の勧修寺三豊が持参した書状を読んで淀殿が激怒する。
「あの狸!
よくもヌケヌケと、こんな事を…!!!
恥知らずめ!!!!」
淀殿はヒステリーを起こし、あちこちの
調度品を掴んでは投げ大暴れしていた。


「淀母さま、どうしたのかしら」
千姫が駆けつけようとすると、秀頼に止められた。
「ごめん、お千ちゃん。
今は近づかない方が良い。
僕がなだめるから、君は落ち着くまで待ってて。
あとで報告するから」
「うん、わかった」

秀頼はそう言って淀殿のもとに向かった。
淀殿は過呼吸を起こし倒れ込んでいる。
その日の夜になっても次の日になっても、秀頼は千の元に来てくれなかった。

何があったんだろう…?