響き渡る轟音

男たちの怒声

女たちの悲鳴

生臭い血の匂い

火薬と煙の匂い

割れそうに揺れる地



身動きが取れない

鬼のような表情をした男たちが

私たちの城を取り囲む


助けて

助けて


私たちはジリジリと追い詰められる

身体が重たい

動けない


右に逃げるものは矢を放たれ

左に逃げるものは槍で突かれ

背後に逃げるものは鉄砲の餌食となった



助けて

助けて


「もう逃げ道なんてないんだよ、大人しくしろ」

敵の大将が冷たく嗤う

「お父さま、助けて!」

声を絞り出し私は叫ぶ


お父さまは城に火を放ち自らの腹を召された

「すまない、父を許せ…

こうするしかなかったんだ」


「お母さま、助けて!!」

私は必死に叫ぶ

お母さまもまた自ら死を選ぶ

「あなたは生きて…

生きて血を繋いで…」

父も母も私を置いて逝ってしまった


ゆっくりとあいつは近づいてくる

「もう観念しろ」

あいつは私を縛り拘束する

笑ってる

許せない


父を

母を

死に追いやった敵は

動けない私に刃を向け

笑って言い放つ

「助けてやったんだから感謝しろ」



許さない

絶対に許さない

覚えていろ

生きて

生きて

生き延びて

絶対にお前に復讐してやる