「あっつーい!」
「疲れたー!」
久しぶりに沢山走って暴れてみんな雪まみれで汗まみれだった。
「よし、次はかまくらを作ろう!」
秀頼と重成が雪を集め千姫と松が中を掘る。
大きなかまくらができあがった。
「不思議だよね、雪の中なのにちょっと暖かいのって」
「うん…。
でもやっぱりちょっと手は冷たくなっちゃったね」
「本当だ」
秀頼は大きな手で千姫の手を包み込む。
「こうしていれば温まるでしょ」
千姫は寒いはずなのに、顔から火が出そうなくらい暑くなってしまった。

「じゃあ私は暖かいお茶でも淹れて来ますよ」
2人がなんだかいちゃつき始めたので、松は空気を読んでみた。
「お、俺も手伝う」
重成も空気を読んで松に着いて行った。


「すごい楽しかった」
「そうだね。こんなに笑ったの久しぶりだ」
秀頼は一呼吸着いてから言いにくそうに言った。
「…去年もこんな風に僕が来るのを待っててくれた?」
「…うん」
「…ごめん」
「でも、松もいたから。
2人で羽根突きやってた」
「ごめん」
「あれはあれで楽しかったから」
「ごめん」
「良いってば」
「ごめん」
「だから謝らないで」
「ごめん」
「っ…!!
もうっ!」
千姫は秀頼の口を押さえる。
「謝らないでってば!」
秀頼は少しいたずらめいた目で千姫を見るとふっくらした柔らかい唇で千姫の手にキスをする。
「!!!」
千姫は真っ赤になって手を離す。
「あはははは!
本当に君は可愛いなぁ」
「もうっ!からかわないでよ!」
嬉しそうな秀頼を見て千姫は頬を膨らませてみる。
「ごめんごめん、やっぱりお千ちゃんと一緒にいると楽しい」
「私も」
千姫が満面の笑みで言うので秀頼は堪らず千姫を抱きしめた。
「今年も一年よろしくね」
「こちらこそ」