こうなった鈴木さんってかなりしつこいけど
まぁ彼のお灸を据えるには丁度いいだろう。

「課長…彼は、一体?」

「あぁ、俺の霊力を少し彼の目に与えただけだ。
つまり…俺の与えた力によって
彼には、霊が見えるようになったってことだよ」

俺は、詳しく説明するがまどか、
きょとんとしていた。
よく意味が分からない様子だった。
すると美里さんが

「つまりは、私や課長さんのようになったって
ことですよね…?
私には、何となくオカマの幽霊が見えました」

混乱しながらも説明してくれた。
彼女の方は、霊感がある分
何となく分かってくれたようだ!

「あぁ、知り合いの浮遊霊に頼んでおいた。
もし彼がまた、悪さをするようなら懲らしめてくれと
今は、浮遊霊に追いかけまわされているだろうね」

「大丈夫なんでしようか?彼は…」

俺がクスッと笑いながら言うと
まどかは、気の毒そうにそう言ってきた。
犯人に気の毒と思えるのは、彼女が優しいからだ。

「あ、あの…助けて下さり
ありがとうございました」

美里さんは、驚きながらも
頭を下げてお礼を言ってくれた。
まどかは、複雑そうな表情をしていたが。

「怖い思いをさせて悪かったね。
もう二度と君へのストーカー行為は、
無くなるから安心するといいよ」

「……はい。」

涙を流しながら
何度も頭を下げ続ける美里さん。
怖かったストーカー行為。
安心したり、複雑な気持ちが溢れてきたのだろう。
これで彼女は、安心して生活が送れる。

その後。
驚くほどストーカー行為は、ピタッと無くなったと
まどかから教えてもらった。
だろうね。あれから鈴木さんは、
彼にベッタリだったから

「そうか…あれから無くなったのか。
それは、いい方向だな」

「はい。美里もお礼を言っていました」

嬉しそうに笑う彼女。
彼女も安心しただろう。
親友を元カレから守れたのだから……。