「な、何で?佐野は、死んだのでしょ!?
なんで私らが酷い目に遭わないといけないのよ」

何でって……分からないのか?
どうしてこんな事になったのか……。
何で彼女が来るんでまで死んだのか。

「いいかい?君達のしてきた事は、イジメだ。
例え理由があったとしても
人を傷つけてもいい理由にはならない。
遊び半分ならなおさらだ。
彼女は、酷く傷つき…悩み自殺をした。
麻衣ちゃんは、ただ謝って欲しかっただけなんだ。
そんな彼女にお悔やみの言葉はないのか?」

ハッキリした口調で伝える。
イジメとは、残酷な行為なのだ。
本人達は、軽い遊び感覚だったのかもしれない。

中には、ちょっとしたムカつきや
相手を分からすためにやる者もいるだろう。
しかし、そんな些細な事でも
イジメられた方は、深く傷つくのだ。

深刻に悩み精神的にもボロボロになっていく。
それで自殺する者が後をたたない。
仏にとっても深刻な問題だろう。

暴力や刃物が凶器だけではない。
言葉の暴力……そして無視や避けられるのも
時に刃物よりも鋭い凶器になる。
相手を精神的に追い込み……全て奪う。
麻衣ちゃんもまた……その犠牲者なのだ。

「でも…」

まだ何か言い訳をしようとする彼女達。
するとまどかが声をあげた。

「謝って下さい。私もイジメられた経験があるから
分かります。本当に苦しかったし辛かった。
あなたにその苦しみが分かりますか?
痛いです…心が凄く。だから、一言でいいんです。
ちゃんと謝って下さい」

必死に訴えかけた。まどかもまた経験者だ。
麻衣ちゃんの苦しみを分かってあげられる。
そうしたら

「ごめんなさい…佐野さん」

初めて謝罪をしてくれた彼女達。
悪いと思ってくれたより恐怖と圧倒されて
言ったようなものだが……。
それでも彼女達の口から謝ってくれた。

麻衣ちゃんには、届いただろうか?
見ると……泣いていた。

『……もう……分かりましたから。
私を成仏させて……下さい』