「とにかく、今夜は申し訳ないがこのあたりで休もう。
朝になったら、町に移動しよう。
首都にもそう遠くはないらしい。
ところで、君をかどわかした奴らはどんな奴らなんだ?
何人いた?」

「え?えーっと……
それが、目隠しをされてたので、はっきりとはわからないんですが……数人かな?
多分…若い男です。」

「そうか……君がいなくなったことに気付けば、奴らは追って来るだろう。
そうだな…明日は私の服を着るんだ。
男装すれば目眩ましになるだろう。」

「……そうですね。」



不謹慎だけど…
なんだか、今の状況がちょっと楽しく思えて来た。
悪い奴らなんて本当はいないけど…
男装して、悪い奴から逃げる…なんて、すごくスリリング。
しかも、ネイサンさんっていう優しいイケメンと一緒の旅だなんて…



もしかしたら、これはものすごく長い夢なんだろうか?
目が覚めたらほんの一部しか覚えてない…もしくは何も覚えてないのかもしれないけれど、実際の夢っていうのはもしかしたらこんな風にリアリティもあって、長い内容なのかもしれない。