「アルバート様、大変です!モルドで叛乱が起きています。」

「なんだと!?叛乱が?」

カンナも少しずつ王宮での暮らしに慣れ、穏やかな日々が続いていたある日、とんでもない情報が飛び込んで来た。
モルドに派遣していた間者からの報告は、本当に驚くべきものだった。
モルド全土でほぼ同時期に叛乱が勃発し、さらに驚くべきは大半の叛乱軍が勝利をおさめているとのことだった。



おそらく不意を突かれたのだ。
そんなことが起きようとは、エドワード王も考えてはいなかったのだろう。
さらに、同時期にあちこちで決起したということが問題だったのだろう。
いくら、モルガーナの兵士が多いはといっても、モルド全土の叛乱をおさめるにはどう考えても数が足りないはずだ。



「それで、モルガーナはどうなっている?
エドワード王は無事なのか?
オズワルド王子に何か変化は出て来たのか?」

「残念ながらまだそこまではわからないうちに、船に乗りましたので…」

「そうか、引き続き、動向を探ってくれ。」

「はっ!」