オズワルドは、ジョシュアにどこも似ていないような気がする。
そのことを言うと、アンジェラは「顔が私に似ているからそう思われるだけですわ。」と言って笑う。
確かに、顔はアンジェラに良く似ている。
とても可愛らしい。
ジョシュアとは、それほど懇意にしていたわけではないから、性格や仕草はあまり印象にはない。
だから、ジョシュアに似ていないように思うというのは、ある意味、正確ではない。



(余が疑い過ぎなのか?)



あと少しで、オズワルドは6歳になる。
アンジェラが言うには、魔法の力が開花するのは、6歳頃からだそうだ。



つまり、あと少しでわかるのだ。
私の不安がただの杞憂だったのか、どうかが…



「父上ー!」

オズワルドが、余の元へ駆けて来た。
余は、オズワルドの小さな体を抱き締めた。



「オズワルド、どうしたのだ?」

「今日は、剣術の稽古で、アルマンの腕を斬ってやりました。」

オズワルドは誇らしげに報告する。
こういう冷酷さも、余に似ている気がする。



「ほう、アルマンに傷を負わせるとはたいしたものだな。」

「はい、一瞬の隙を突きました。
早く、一人前の剣士となり、ファーリンドを攻め落としたいです。」

「頼もしい限りだ。毎日の努力を欠かすでないぞ。」

「はい、父上!私にお任せを…!」



あと少し…あと少しで、この言葉は現実となるのだ。