そして、お相手はやっぱりシュリさん。
シュリさんがいくつかは知らないけど、きっともう適齢期になってるんだろうし、もうこれ以上は待たせられないよね。



キリルは、妹さんがお婿さんをもらってやっていくようだし、シュリさんは多少強引なところはあるものの、血筋も見た目も最高の人だもの。
きっと、アルバートさんとうまくいくよ。
なんせ、シュリさんはあんなにアルバートさんのことを愛してるんだもん。



ちょっと寂しいけど…
でも、私が男でいる限り、きっと私はアルバートさんに可愛がってもらえる。
弟としてだけど、それでも良いよ…
好きな人の傍にいられるってことは、それだけで幸せなことだもん。



祈りの塔に祈った願いが、ようやく叶えられるんだ。
シュリさんと結婚したら、王様や王妃様だけじゃなく、国民もきっと喜んでくれる。
アルバートさんだけじゃなく、オルリアンの国全体にとっての幸せなんだ。
そう思うのに、なぜだか胸が痛む。



「陛下、今度の舞踏会で…陛下のお誕生日の舞踏会で、私の気持ちを話します。」

「どういうことだ!?」

「その日までしばしお待ちください。
私は決して逃げませんゆえ…」

アルバートさんは真剣な顔でそう言った。
どうするつもりなんだろう?
シュリさんとの結婚を決意した?
それとも、結婚を断るうまい口実を思いついたの?
アルバートさんの気持ちはわからないけど、アルバートさんが何かを決意したことだけは、私にもわかった。