「陛下、今日はひさしぶりに友人達を招待しました。」

王様は、私達が来たことをあまり良く思っていないようで、不機嫌な顔をしていた。



「いつもアルバートが世話になっているようだな。
最近は、毎日のように夕食をふるまってもらってると聞く。感謝するぞ。」

「陛下、滅相もございません。
いつも粗末な食事しかお出し出来ず、申し訳なく思っております。」

「いや…そんなことは関係ない。
アルバートは、そなたらのことをとても気に入っているようだ。
幼い頃からオスカー以外の者には気を許さなかったのに、そなたたちが来てからというもの、べったりだ。
よほど、そなたたちを信頼しているのだろう。
それをわかっているからこそ、頼む。
どうか、アルバートに、早く妃を娶るように説得してくれぬか?」

「陛下!そのようなことをおっしゃらずとも、私は常に考えております。」

「何を申すか。私も無理強いはしたくないゆえ、ずっと我慢してきたが、もう限界だ。
そなたが、どうしても妃をみつけられないと言うのなら、シュリを妃に決める。」

その言葉を聞いた時、あぁ、やっぱり…って、あきらめの気持ちがわきあがった。
結局はそうなるんだよ。
アルバートさんとはしょっちゅう一緒にいるからわかるんだけど、付き合ってるとか、想いを寄せているような女性はいない。
つまり、今は結婚する気がないんだろうね。
でも、王様がこんなにきつく言うんだから、もう多分逃げられない。
ついに、年貢の納め時が来たってことだね。