「え…俺達が…ですか?」

「そうだ。頼むよ。」

「そりゃあ、別にこちらに断る理由はありませんが…」

「じゃあ、決まりだな。」

アルバートさんは、機嫌の良い顔で微笑んだ。



今日も、アルバートさんはうちに夕食を食べに来た。
主に作ってくれたのはジョシュアさんだけど、今日は、私も早くに帰って来たから、けっこう手伝ったんだ。



アルバートさんのお願いは、明日、みんなで城の夕食会に来てほしいということだった。
なんでも、最近、王様がアルバートさんのお妃様のことをうるさく言うようになったらしい。
そんな年になって、いまだに結婚しないとはどういうことだ!って、しょっちゅう言われるから、うちにばかり来てたらしいんだけど、明日は、お城で夕食を摂るようにときつく言われたみたいだ。
だから、私達を連れて行って、婚礼の話が出ないようにしようと考えたらしい。
そんなことで、本当になんとかなるのかはわからないけど…



アルバートさんへの想いは、胸の奥にずっと封印している。
元々、私には手の届かない人なんだから。
一緒にいられるだけで、私は幸せだよ。
ちょっとだけ強がってるけど、本心だ。
いつだって、私はアルバートさんの幸せを祈ってる。