クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?





「アルバート様、お帰りなさいませ!」

門をくぐると、侍従さんたちが出迎えてくれた。
いや、出迎えたのはあくまでもアルバートさんだけど。

お城の中に入ると、ネイサンさんとオスカーさんがいた。

「アルバート様、お帰りなさい!」

「カンナ…お帰り!」

ネイサンさんの笑顔にほっとした。



「カンナ、私は陛下に報告して来る。
夕食の時にまた会おう。」

アルバートさんは、オスカーさんや侍従さんたちを引き連れて、行ってしまった。



「カンナ…疲れただろう?」

「いえ、大丈夫です。」

ネイサンさんは私の荷物を持ってくれた。
私の使わせてもらってた部屋は、そのままで…
長椅子に腰を降ろすと、なんだか急に疲れが出て来たような気がした。



「すまないが、お茶を頼む。」

「かしこまりました。」

ネイサンさんが、お茶を頼んでくれた。
なんだか、依頼の仕方が妙に板に付いている。
以前は、こんなに落ち着いてなかったのになぁ。



「旅はどうだった?
楽しかったか?」

「はい、とても楽しかったです。」

「まさか…アルバート様に、秘密がバレたりはしていないだろうな?」

ネイサンが顔を近付け、耳元で囁いた。



「……大丈夫です。」

「そうか、それなら良かった。」

ネイサンさんは、ゆっくりと頷き、微笑んだ。