クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?





(うっ…い、いたっ!)



目が覚めると同時に、頭がずきんと痛んだ。



「目が覚めたか?」

「え……?」

そこにいたのはアルバートさん。
あれ…?
私…まだ夢見てるの?



「……どうかしたのか?」

「えっ…アルバートさん…ですか?」

「何を言っている。寝惚けてるのか?」

「えっ!本物のアルバートさん!?
ど、どうして…??」

私はびっくりして体を起こした。



「覚えてないのか?」

「えっ!?」

「……相当に酔ってたんだな。」

「え…じゃ…じゃあ、昨夜戻って来られたんですか?」

「そうだ。」

「な、なぜ?てっきり、お城に泊まって来られると思ってました。」

「確かに、引き留められたんだがな。
だが、私が誘った旅行なのに、君をほったらかしには出来ないだろう。
それで、昨夜遅くにやっと抜け出して来たというわけだ。
そしたら、君がぐったりしていて…驚いたぞ。」



(夢じゃなかったんだ……)



アルバートさんの言葉にびっくりするやら、感激するやら…
そんなに私のこと、気にかけててくれたんだって思ったら…本当に嬉しくて……
私は込み上がって来る涙を、懸命に堪えた。