(うぅ……疲れたよ……)



それからというもの、アルバートさんは本当にいろいろなことを私に教えてくれた。
そのおかげで、文字が少し読めるようにあったのは嬉しいけれど、剣術や格闘技やら、サッカーに似た感じのスポーツやらは激しくて、とてもじゃないけど、体力が持たない。



あんなに優しかったアルバートさんが、私に教える時はスパルタな教官と化して…
休ませてほしいなんて言っても、聞いてはもらえない。
そのせいで、私の体には女性には似つかわしくない筋肉がついてきた。
嬉しいような、悲しいような…



「カンナ…
ずいぶんと剣を持つ姿が様になって来たな。」

「本当…ですか!?」

「あぁ、最初はどうなることかと思ったが、それなりに上達しているぞ。」



え?こんなに頑張ってるのに『それなり』?
だって、剣なんて今まで一度も持ったこともないんだよ。
初めてにしては、いい線いってるんじゃないのかな?



不満はなにかとありながらも、確かに充実した日々を過ごしてた。
ネイサンさんは、兵士の訓練を担当することになり…
ジョシュアさんは、ちょっと故郷に戻って来るって行ってしまい…
気が付けば、オルリアン城に来てから、もう半年以上の時が流れていた。