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「カンナ…ちょっと良いか？」

「はい。」

ネイサンさんが、剣術の稽古に行ってしまって、ひとりで部屋でぼーっとしていたら、アルバートさんがやって来て…
何だろう？と思いながら着いて行くと、そこは厩舎だった。



「馬に乗る練習をしてみないか？」

「え…は、はい！」

「この馬はとても穏やかな性格だから、大丈夫だ。」

「はい。」

正直言うとちょっと怖い。
この間まで、こんな間近で馬を見たこともなかったんだから。
でも、みんなみたいにうまく馬に乗れるようになったら、気持ち良いだろうなって思う。
この前は、ただ怖いばかりだったけど…



「まず、ここに足をかけて…そして…こうだ。」

アルバートさんは軽々と馬の背に乗った。
見ていたらすごく簡単なことなのに、いざやってみるとそれはかなり難しく…



「おいおい…なんで、後ろ向きになるんだ！？」

「いや、そうじゃない。
その足はこっちだ。」

「そう、たてがみも一緒に掴んだ方が良い。」



馬の背中に乗るだけで、どんだけ苦戦してるんだ！？
私、そんなに運動神経悪かったっけ？



あまりにも不器用な自分自身に呆れながら、何度も失敗をして、私はようやくひとりで馬の背中に乗れるようになった。