クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?

「そういうことだったのだな。
君がいた世界は、こことはずいぶん違うのか?」

「はい、全然違います。
ここよりは、文明がはるかに進んだ世界です。
あ…し、失礼しました。」

「いや、構わない。
たとえば、どのように違うんだ?」

「私たちの世界には、電気というものがあり、ランプではなくその電気で明かりが灯せます。
掃除や洗濯をする時も電気を使い、人の手を煩わせなくとも自動で出来ます。」

スマホでも持って来てたら、それを見せるだけでもわかっただろうけど、芝居の途中だからもちろんない。



「聞いたことがある。
機械というものが人の代わりに家事をするものを研究している学者がいるという話を。
そうか、君の世界ではすでにその段階に来ているんだな。
そういえば、あの花の模様のボタンはどうやって作るんだ?
あんなボタンは初めて見たから、ずっと記憶に残っていたんだ。」

ネイサンさんはやっぱり気付いていた。
だから、あのボタンがみつかった瞬間に、私を疑ったんだね。
……ところで、プラスチックってどうやって作るんだろう?



「あれは、プラスチックという人工の素材です。
軽くて丈夫で安価なので、ボタン以外にもいろいろな用途で使われています。」

「あんなに美しいものが安価で…
君のいた世界は、すごいところなのだな。」

ネイサンさんは、心底感心したような声でそう言った。