クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?





「着いたぞ。ここがオルリアンだ。」

あれから二日後、私達はオルリアンの城下町に辿り着いた。
モルガーナの城下町に比べると、規模もやや小さいし、落ち着いた雰囲気の町並みだ。
通りすがる人たちが、アルバートさんに恭しくお辞儀をする。
そういう光景を見ていると、そっか、アルバートさんは本当に王子様なんだ…って、あらためて思った。
今まではどこか実感がなかったんだな。



町を抜け、お城に着いた。
モルガーナ城程の大きさはないけれど、とても美しいお城だ。
センスの良さみたいなものを感じるデザインだ。



「さぁ、行こうか。」

私達も、アルバートさんの後に続いて歩いて行く。
お城の見学には、何度か行ったことがあるけれど、それは単なる観光のお城。
今現在、本当に王様とかが住んでるお城なんて、もちろん行くのは初めてだから、なんだかすごく緊張する。



門番がアルバートさんに向かって、敬礼をして…
中に入ったら、兵士や侍女みたいな人達がまたお辞儀をして…
ますます緊張の度合いが高まる。
別に私に向かってしてるわけじゃないけど、どこかそんな風に錯覚してしまう。
どんな顔をしたら良いのかもわからなくて、私は俯きながら歩いて行った。
ふと見ると、私たちの後ろには数名の男女がついて来ていた。