「オルリアンの国王は、平和を重んじる方だ。
魔法の復活は、絶対にお許しにはならないだろう。
魔法の力をエドワード王が手に入れたら、ファーリンドに攻めて来ることは間違いない。
そうなれば、大勢の兵士や民が殺されるだろうし、ファーリンドの国々は、モルガーナの植民地となってしまう。
エドワード王の統治下に入ったら、今までのように平和に暮らせるかどうかはわからない。
だからこそ、魔法の復活は絶対にあってはならないことだ。
魔法を復活させないためには、俺とアンジェラを殺すのが一番確実だ。」

「だけど……」

私が話しかけた時、ふたりのおじさん達の大きな声が聞こえた。



「聞いたか。王妃様がご懐妊だとよ。
モルガーナもこれで安泰だな。」

「そうだな、王子様がお生まれになったら最高だが、王女様でも構わねぇ。
王妃様が変わったことで、モルガーナはさらに発展しそうだな。」

「なぁ、今の話、どこで聞いたんだ?」

ジョシュアさんが訊ねた。



「船に乗る前に、港のお触書に出てたから間違いないぞ!」

「そうか、教えてくれてありがとうよ!」

ジョシュアさんは、二人に向かって片手を上げた。



「アルバートさんにお伝えしましょうか?」

「そうだな、その方が良さそうだな。」

私達は、再び、アルバートさんの部屋に向かった。