「それでは、例の二人については何も?」

「そうなんだ。それらしきふたりは宴には現れなかった。」

「では、なぜふたりはモルガーナ城に呼ばれたのでしょう?」

「それが皆目わからないんだ。」

次の日の朝、みんなは早速、昨日のことについて熱く話していた。
私は、昨夜遅かったのと、ちょっとお酒を飲み過ぎたせいで眠かったのだけど、みんなの話を聞いてたらだんだん目が冴えて来た。



「では、今後、どうされるおつもりで?」

「今、迷っているところだ。
モルガーナ城にいることは間違いないのだから、待つしかないかとも思うのだが、もしもふたりがこのままずっとモルガーナ城にいるとしたら、手出しが出来ない。
それならば、なんらかの手を考えねばならんかもしれないな。」

「アルバート様、今日も兵士から情報を探って参ります。」

「あぁ、頼むぞ。」



だいたいの話が済むと、皆は出掛けてしまい、またアルバートさんとふたりっきりになってしまった。



「あの…えーっと……たいそう王妃様はお綺麗な方でしたね。」

「そうだな。君はああいうタイプが好きなのか?」

「えっ!?」

一瞬、何のことかと戸惑ってしまったけど…
そうだ、私は、今、男なんだと気が付いた。