(あ、そっか……)

アルバートさんとライゼル公の会話を聞きながら、それが誰のことか思い当たった。
そう…
魔法を復活するために呼ばれた二人のことだ。



二人の顔はまだわからないみたいだけど、それらしき人達は見当たらないみたい。
別荘からこのお城に移ったんだから、当然、宴には出席するだろうと思われていたけれど、残念ながらいないみたいだ。



一体、どういうことだろう?
イズルさんが調べたところによると、別荘には戻ってないってことだった。
ってことは、このお城にいるはずなのに…



でも、いなかったことで、私はどこかほっとしてもいた。
だって…ふたりの顔がわからなかったら、ふたりを殺めることは難しいのだから。
計画が進まないうちに、なにか他の手立てがみつかるかもしれないし…



でも、なんでいないんだろう?
お城のどこかに閉じ込められてたりするのかな??



あれこれ考えているうちにも、時は流れて…
夜がどっぷりと更けた頃…宴もようやく終わりを迎えた。