「申し訳ありません!」

「仕方がない。そなたが悪いわけでない。
公に発表されるのを待とう。」



あれから日が流れたが、ネイサンやイズルにも王妃の情報は全く入らなかった。
どうやら城の中では、厳しい緘口令が敷かれているようだ。
そうなれば、私達に打つ手はない。



もどかしい日々が続いた。
町は、新たな王妃の話題で持ちきりだ。
だが、酒場などで耳にする話はどれも信ぴょう性の低そうな話ばかりであてにはならなかった。



「そういえば、あのふたりの話もまるで入って来ませんが、外に出た様子もありませんね。」

「ですが、王妃との婚礼のために呼んだにしては早過ぎる気もしますが…」

「もう一度、別荘の方を見て参りましょうか?」

「そうだな、では、イズル…明日、別荘の方を見て来てくれ。」

「はっ!」



何もする手立てがないだけに、落ち着かない日々が続いていた。
しかし、そんなある日…ついにお触れが出されたのだ。