「まだみつからないのか?」

「申し訳ございません。
なかなか情報が集まらず…」

「そもそも、リイカというのは間違いないのか?」

「はい…エドワード王が公務の後に立ち寄った事などを考えると、おそらく間違いはないと思うのですが…」



リイカには三日後に無事に到着した。
しかし、リイカに行きさえすればすぐにでもみつかるだろうという想いは、甘かったようだ。
ここに来て、もう5日にもなるが、まだ手がかりひとつ掴めない。



「エドワード王はどこに行かれたのですか?」

ネイサンが、イズルに訊ねた。



「ロベリタ城の王子の結婚式に出向かれた後、どこかに立ち寄られたようなのだ。
ロベリタ城からモルガーナ城の間にある王族の別荘といえば、リイカのものだろうと推測したのだが…」

「ロベルタ城か…」

ネイサンは、ゆっくりと首をひねる。



「そもそも、王族の別荘は、防犯のことからも場所を公にはされておりません。
それに、町からは離れたところにありますから、確かに探すのは難しいようには思うのですが、リイカに別荘があるというのは確かな情報なのですか?」

「……確かとは言えない。
だが、そのくらいしか情報が掴めなかったんだ。」

「実は、ここより少し東に行ったところに、大変美しい湖があります。
以前、エドワード王がその湖の話をされていたのを聞いたことがあるのですが、もしやその周辺に別荘があるのではないでしょうか?」

「そこへはどのくらいかかるのだ?」

「馬で行けば、二日くらいでしょうか?」

ネイサンの情報が正しいかどうかはわからないが、なんとなくこのあたりにはないような気がした。
これだけ探して手がかりひとつみつからないのは、やはりおかしい。
私は決断した。



「そうか…それでは、そこへ行ってみよう!」