その日の夕方。

「ねぇ凛那ぁ、ご飯まだ?
俺、超お腹空いた〜」

……いつの間に凛那って呼んでやがる…

『そ、それより!!同居にあたってルールを決めたいと思います!』

「あれ?敬語になっちゃったんだ?俺的にはタメの方が嬉しいんだけどなぁ?」

ルールのこと完全スルーしやがったよ……

『う、うるさいです!!晴海くんだって勝手に凛那って読んでるじゃん!』

「俺、女の子はみんな苗字呼びだよ?」

確かに、晴海くんは取り巻きの女の子のことを苗字で呼んでいる。

『じゃ、じゃあっ』

なんで私は名前呼びなの!!

「んー、だって凛那は特別じゃん?」

『……特別って?』

「一緒に暮らしてる可愛い妹♡♡」

妹!?

『やだ!だったら私がお姉ちゃんだもん!!』

あ、つい素で反論しちまった。

「ふっ、凛那ガキっぽい。はいはい、分かったよ。りーなお姉ちゃん」

と言って抱きついてきやがった。

「顔、赤いよ?なぁに?弟にドキドキしてんの?お姉ちゃん?」

晴海くんは私の後ろから抱きついてる体勢のまま、私の頭に顎をのせてほっぺをつんつんしてきた。

「ははっ、顔赤い。」

『……うるさい。』