夜中の12時を過ぎた頃、

ピンポーン

鍵を開けて健太が帰って来た

「ごめん。長引いた」

「う…ん」

こんな暗い顔でいちゃいけない

「ご飯食べる?」

「連絡しなくてごめん。食べてきたんだ」

その健太の一言で我慢していた気持ちが溢れだしてしまった

「作って待ってたんだよ!」

感情を押さえ切れず、疲れて帰って来た健太に言ってしまっていた

「あっ」

私は自分の口を手で塞いでいた

「亜美ここ座って」

健太がソファに座り、ソファの上をポンポンと叩いた

言ってはいけないことを後先考えず言ってしまって、私は後悔していた

「連絡しなくてごめんな」

私の手を握り締め、済まなそうに健太は謝った

私は何度も首を振り

「仕事、忙しいのに…何も考えないでごめんなさい」

自分のことしか考えていなくて、連絡出来なかった理由も聞かずで…

だめな自分が情けなくて、唇を噛み締め耐えていた涙が零れていた