「亜美、亜美」

健太に呼ばれていたのも知らず、私は焦って返事をした

「は、はい」

「気分、悪いのか?顔色も悪いし」

「ううん。大丈夫」

「亜美の大丈夫は大丈夫じゃないんだけどな」

きっと健太はもう何かを察知している

「私・・・不安で・・・」

健太は心配そうに私の顔を見た

「何が不安かちゃんと言って?」

優しく問いかける健太の言葉に視界が潤んできていた

瞬きをすると我慢していた涙が零れ落ちた

「流産した時・・・」

健太は私の手をギュッと握り、私の気持ちが落ち着くまで待っていてくれた

「先生に子供ができにくくなるっていうことを言われたの。でもそれは100%じゃないって言ってた。でもね、もしできてなかったら、もし赤ちゃんがいたとしてまた流産したらって考えると・・・せっかく楽しみにしている健太が悲しむんじゃないかって・・・私のせいで・・・」

「亜美」

私は健太の顔が見れず握ってくれている健太の手を泣きながら見ていた

「もし亜美が子供が産めない体になっていても俺の気持ちは変らないし、子供のいない生活だっていいんじゃないか。俺は亜美がいてくれるだけでそれでいい。亜美が元気で俺の傍で笑ってくれていればそれでいい。だから深く考えるな。もし今回赤ちゃんがいなかったとしてもまた、頑張ればいいし、何か治療方法があるなら治療を受ければいいし。とりあえず病院に行って、ちゃんと検査をしてからまた考えよう」