「あの時、ここで子供達が遊んでたの憶えてる?」

兄妹で遊んでいたよね

「憶えてるよ。ここで走り回ってたね」

「かわいかったよな」

「うん」

私も憶えてる…

子供達を見て、何人子供が欲しいとか、男の子か女の子かって話したよね

「家族っていいよな」

健太は真っ直ぐ海を見たまま呟いた

「俺さ、親が離婚してるから絶対家族を大切したいって思ってる。亜美がいて子供がいて…」

健太…

「でもよ、俺の仕事上子供には可哀想な思いをさせるかなって」

「そんなことないよ」

私はつい大きい声を出していた

「きっと健太の愛情をもらって優しくて素直な子に育つよ。健太の仕事を私と一緒に応援するの」

「ありがとな」

私の頭を撫でてくれた健太は目尻を下げて微笑んでいた

「私が健太を大好きなように生まれた子供も健太を大好きになるよ」

「おお」

そっと私の肩に手を回して、沈んで行く夕日をずっと見ていた