生温い風が窓から吹き抜けてくる

それがとても気持ち良くて目を開けたいのに、まだまだ寝ていたい…

そんな夢心地の中、私は薄らと目を開けた

重い…

健太の右腕が私をすっぽり包み込んでいて、寝ているせいで余計重く感じる

でも心地よい顔で寝ている健太を見ると、重さなんかより愛しさを感じていた

結婚してからも私の気持ちは膨らむばかり

前よりもずっと健太への愛情は深くなっている

離れていたせいなのかな…

自分が年をとったせいなのかな…

人を想う大切さを私は知ったんだ

好きな気持ちだけじゃだめだっていうこと

お互いにお互いが大事でお互いを労り合えなきゃいけないということ

この長い年月を越え、やっとそんなことに気付けた

それは新くんに会えたことや健太との別れ

そんな出会いと別れで私は大切な気持ちを知ることができたんだ