腹黒王子の初恋

「それではこれで会議を終わります。お疲れ様でした。明後日の説明会がんばりましょう。」


 みんなが会議室を後にする。私は席を立ったままぼーっとしていた。ふと視線を感じ、その方向を見ると、ゆうきゅんと目が合った。久しぶりに目が合い、一瞬時が止まったような気がした。そして胸がどきりとした。

 ゆうきゅんがっこっちに歩いてくると思った時、

「優芽!大丈夫か?」

 泰晴が駆け寄ってきた。

「熱とかないよな?」

 おでこに手を当てながら心配そうに聞く。

「熱はなさそうだな。優芽が会議を聞いてないなんて珍しすぎるな。大丈夫か。」
「うん。大丈夫だよ。ごめん。ちょっとぼーっとしちゃって。」

 ゆうきゅんはそのまま私たちの隣を通り過ぎて行った。