『ねぇ、こっち見て!かわいいよ!』
『ん?どれどれ?…いたっ』
『いてっ』

 こっちを向いた彼とおでこがぶつかった。知らない間にこんなに近づいてしまってたみたい。

『あはははっ』
『ぶつかっちゃったね』

 二人で笑いあう。急に彼の瞳が熱っぽくなる。

『…祐宇…』

 私は愛しい彼の名を呟き目を閉じる。やわらかい唇が重なる。





「梢先輩!つきましたよ!」

 はっ!やば。あまりの緊張で妄想の世界に逃げてしまっていた。