可愛いってクラスのやつらに言われてて、少し…いや、結構、ショックだった。

小さい頃はみんな二宮のことなんて気に留めてなかったし、わりと俺だけと仲良くしてたから、こんなこと思っても見なかった。

やっぱ、気付くよな…普通は。

12年経って、より可愛くなったし。

もう、俺だけがあいつの可愛さを知ってるわけじゃないっことだよな…。

二宮の自己紹介で気持ちがぐるぐる頭の中を回って、自分の自己紹介がめっちゃつまんなくなったけど。

二宮の方をチラッと見ると、俺のことなんて見もしないで、葵と話してたから、胸が張り裂けそうだった。

大げさって思われるかも、しれないけど…。
俺は、あいつのことが本気で、ずっと好きだったから。

そのあと、本当は、二宮を家まで送って行こうかと思ってて、声かけようとしてたのに、女子たちに囲まれて全然話せなかった。

どうにかして、抜け出せないかな…って考えてた時に。

「私気付いたよ!みんなは若葉くんがいるところに集まってるんじゃなくて、葵くんがいるから近づこうとしてるんだよ!!」