溺愛警報発令中!

「おい、爽がこの子にぶつかったんだろ」

誰ですか、この救世主みたいな人は!

「葵…」

「爽がごめんね、大丈夫?」

「葵、そんな奴に構うなよ、行こうぜ」

「なんでお前はそんなに自分勝手なんだよ…はぁ」

ほんとだよ!

「ねえ、あなたたちは誰かしら?知りもしないあなたたちが言い争ってるのなんて興味もないし、見苦しいんだけど」

ちょっ、優香ちゃんストレートすぎ…。
ほら、2人とも呆然としちゃってるし…。

「あなたが先に奈留にぶつかったのだから謝るべきだとは思わないの?だいたい私達は普通に歩いているだけだけれど?」

「いや、だからジャマって…」

「大人数で広がって歩いていたならばこちらにも非はあるでしょうけど、2人で並んで歩いていただけよ?それなのにどこからジャマなんて言う発想が湧いてくるのかしら?」

ゆ、優香ちゃん怖い…。

「勝手にぶつかって来て、奈留を責めるなんて、どうゆう神経してるの?はぁ、ここまで言われても私達がジャマと言いたいなら理論的に説明してくださる?」

理論的にって…。
なんかこのブラック優香ちゃん久しぶりに見たな…。

「あ、あの、優香ちゃんそれくらいで…」

「何言ってるの奈留?大体奈留は被害者なんだからもっと怒って良いのよ?」

「えっと…」

「チッ、うるせえヤツ等。葵、俺は先に行くから。あー、お前のせいで朝から気分悪くなったわ。ドブス」

ど、ドブス!? 私!?
まあ、それほど可愛くもないけどさ…。

そう言い残してぶつかって来た人は去っていった。