エリート社員の一途な幼なじみと交際中!

「そんなこと心配してるのか?」

環は可笑しそうに吹き出して、私の頭をぽんぽんと叩いた。

「……別にっ」


急に子ども扱いされた気持ちになってぷいとそっぽを向くと、到着ロビーから直結している電車の改札が見えた。自然と体がそちらに向くと、手で制止された。

「タクシーで家まで帰ろう」

「え?でもここからだと結構かかるよ」

「タクシーの方が移動も少ないし、邪魔されずにゆっくり過ごせる」

次の私の言葉を待たずに環は手を引いて歩き出し、ついて行くような形で改札の前を素通りしていく。

そのままエスカレーターを降りてにぎやかな空港のエントランスをくぐると、夏の熱い風がぶわっと流れてきた。

タクシー乗り場まで日よけが続いていて日差しこそ軽減されているものの、またすぐに涼しいところに逃げたくなるような暑さだ。