エリート社員の一途な幼なじみと交際中!

「梓。お前はプライベートでも有能だ」

わざとらしく真顔で何度も撫でるから、何だかむずむずしてきた。

「もう、からかわないでよ」

「俺はいつも真面目だよ」

「うう。それはそれで照れくさいんだけど」

環はまた私の手を取って、しっかりと握った。男らしくて大きな手は、包容力があってホッとした気持ちになる。

「早くお前の手料理も食べたいし、行くか」

「うん。そうだね」

私が出口の方向を確認して手で矢印を作ると、環は手を繋いでいない方の手で大きなスーツケースを引いて歩き出した。

時折団体客とぶつかりそうになるところを、さりげなく私をエスコートしてくれる。大きな荷物を抱えているのに、些細なことまで気を配ってくれて嬉しくなった。

「ねえ、久々のアメリカはどうだった?」

「商談とか会食続きで満喫する暇もなかったよ。時差ボケも馬鹿にならなくて、慣れるまで大変だった」

「そっか。それじゃあ浮気の心配もないね」