エリート社員の一途な幼なじみと交際中!

「そ、そんな可愛いって」

「照れてるのか?」

「照れてなんかないもん」

表情を見られたくなくて、もう一度環に抱き付く。

今度は頭を優しく撫でてくれて、また満たされていく感じがした。

再会した当初はぶっきらぼうな物言いだった環は、付き合うようになってから自分の気持ちをあまり隠さずに伝えてくれるようになった。自分のことになると不意打ちを食らってしまうことも多いけれど、素直に嬉しかった。

このままずっと、甘えていたい。

そう思った途端、お腹が盛大に鳴った。

「うう」

環が可笑しそうに吹き出して、背中をぽんぽんと叩いた。

「よっぽどお腹空いてるんだな。今夜は出前でも取るか?」

せっかく食べたい料理をリクエストしてくれたのに作らないなんて、恋人失格だ。

「絶対私が作る! 環に食べてもらいたいもん」

環に向かって唇を尖らせると、なだめるように額に軽く口付けされた。

「ありがとう、梓。待ってる」

二人の夜は、まだ始まったばかりだ。


end.