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最寄りの駅でタクシーを降り、スーパーで買い物を済ませてから環が住むマンションに付く頃には、すっかり陽が傾いていた。
「しかし、人前で寝られるなんて俺も大分疲れてたんだな」
運転手さんに寝顔を見られるのが恥ずかしかったらしく、スーツケースを引いた環がバツが悪そうに眼鏡を押し上げるのを見て、私はいたずらっぽく口許をつり上げた。
「私は環の寝顔をじっくり見られて良かったよ。環の睫は長くて羨ましいなあって」
そう言うと環の手が伸びてきて、人差し指が私の額をつん、とつついた。
「俺ばっかりじゃ割に合わないから、後で梓の寝顔もじっくり見させてもらう」
すっぴんの寝顔なんてまじまじ見られるものじゃない…!
「そ、それは困ります」
慌てて両手を振り、歩き出した。マンションのエントランスをくぐり、エレベーターで3階までのぼる。四部屋ほどのあるフロアのうち、一番奥の部屋が環の家だ。
最寄りの駅でタクシーを降り、スーパーで買い物を済ませてから環が住むマンションに付く頃には、すっかり陽が傾いていた。
「しかし、人前で寝られるなんて俺も大分疲れてたんだな」
運転手さんに寝顔を見られるのが恥ずかしかったらしく、スーツケースを引いた環がバツが悪そうに眼鏡を押し上げるのを見て、私はいたずらっぽく口許をつり上げた。
「私は環の寝顔をじっくり見られて良かったよ。環の睫は長くて羨ましいなあって」
そう言うと環の手が伸びてきて、人差し指が私の額をつん、とつついた。
「俺ばっかりじゃ割に合わないから、後で梓の寝顔もじっくり見させてもらう」
すっぴんの寝顔なんてまじまじ見られるものじゃない…!
「そ、それは困ります」
慌てて両手を振り、歩き出した。マンションのエントランスをくぐり、エレベーターで3階までのぼる。四部屋ほどのあるフロアのうち、一番奥の部屋が環の家だ。

