エリート社員の一途な幼なじみと交際中!

顔を向けると、環は大丈夫か?と小さく言って、口許を緩めた。頷くと、私の左手はしっかりと握られて、二人の間の座席に置かれる。

運転手さんに見られているかもしれないと思うと、空港で沢山の人の前で抱き合ったのに少し恥ずかしくなる。

でも運転手さんの醸し出す優しい空気のおかげでそれ以上緊張することもなく、私は背もたれに身を預けた。

降りる駅のことを考えないで、帰りまでずっと環のことを考えていられるなんて、なんて幸せな時間だろう。

「ねえ、環」

「ん?」

「夜ご飯、何がいい?」

「夜ご飯、か」

少し考えるような仕草をしてから、真剣な顔で

「卵焼きと味噌汁」

と呟いた。