―――――― 


「小泉です。」
「な、成田っす!」


「どうぞよろしく。」


翌日、昨日とは違う立場で再びオオスカワ署の刑事課を訪れる。


署長さんからちゃんと話が伝わっていたようで、

まずは昨日俺を取り調べした桜井課長が深々と謝罪してきた後、皆に俺を紹介してくれた。



・・決して珍しいわけじゃないけど、ここにはバリバリの女性刑事がいるようだ。


朝礼後、とりあえず俺への概要説明者として、

昨日も途中から現れた目つきの鋭い小泉と、

その相棒のチャラチャラした成田が俺の前に立つ。


「警視庁の方だったんですか。」


「そういう事。」


「捜査1課ですか?」


「いや、前は1課だったけど今は違う部署にいる。」


広報部 地域PR課と言うと不要な問答が発生しそうなので誤魔化したけど・・・


「・・・・・・・・・。」


「・・?1課に知り合いでもいるのか?」


「・・いえ、何でもありません。」


小泉が何か聞きたそうな顔で俺に視線を訴えたような気がしたけど・・気のせいか。



「神野刑事!では早速ご説明します!」


チャラチャラしてるくせに意外と緊張するタイプなのか、

若干声が裏返った成田が事件の説明を始めてくれた。