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今日の捜査報告が終わった後、

捜査本部となっていた会議室を出て、
鑑識班の長さんの作業場へと向かった。



渦中の人物、中野は今日も自宅には不在で、

勤務する小料理屋も無断欠勤で、
一切の連絡が取れない。


いわゆる、“姿をくらました”っていう状況だ。


防犯カメラを順に追っていく“リレー捜査”も途切れちゃったし、

奴の周辺の人物に聞き込みをするが、どこに逃げたのか見当もつかないとの事だった。


代わりに分かったのは中野の人物像。

“あんな優しい男、他に見たことない”

“メチャクチャ友達想いの良い男”


そんな意見もあれば、

“一度キレたらホント手がつけられなくて”

“なんか裏表ありそう”


なんて危険な匂いがプンプンする証言も得られた。