第3章


だけどこれが本当みたい
新しい私よこんにちは



被害者 上原シオリ
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「リエ!何回同じミスをすれば気が済む?

AIR費用を日本が持つか、向こうに持たせるか確認した上で手配しろと言ってるだろ!?」


「・・・はいすみません。」




「シオリ!ちょっとこっち来い。」



川口主任と交代する形で、

アメリカから帰ってきた永川主任が私達の新しい上司になった。


いつもニコニコしていた川口主任と違って・・永川主任が来て以来、

ほんわかしていた職場の雰囲気は一気にピリつくものに変わっていった。


先に怒られていたリエに代わり、
永川主任の前に立つ。


「はい。」


「お前が提案した貿易改革案、
一旦白紙に戻すから。」


「・・・・はい・・?」


「だから・・あれは却下する。」


「・・・どういう事でしょうか?」


「川口先輩がうまく上も説得したみたいだけど、こんなんじゃ全然ダメだ。」


「・・理由を教えて頂けますか?」


「はぁ?お前何年この仕事やってるの?」


「・・・・・・・。」


「確かにお前が出した改革案を実現すれば、
日本側の工数は減るだろう。

だけどその分海外の負担増やしてどうするつもりなんだよ?

海外支社も同じグループ会社なんだぞ?

全世界共通しての工数削減を考えないとダメなんだよ。

お前はもうちょっとグローバルな考え方をしろ。」


「・・・・・・・分かりました。」


「今よりもっと良い案出したら目通してやるよ。」