『ところが、凶器を取り出して、

次に視界へ入った人間を襲おうとしていたまさにその時・・

そこに、自転車に乗った1人の警察官が現れた。』


「もしかして・・・?」


『それが成田捜査官です。

当時は派出所勤務で、
警ら中だったそうです。』


「たまたま通りかかったチャラ男に逮捕されるとは、その通り魔もざまあねぇな。」



『ここからが少し興味深い話です。』


「・・・?」


『私は・・“たまたま”だとは思っていません。』


「どういう事?」


『ご本人も、“リアルガチまぐれ”と自覚していないようですが、

これは一種の“才能”だと思っています。

結果的に彼の地理的プロファイリングは誰よりも正確だった事になりますからね。』


「・・ちょっと買い被り過ぎじゃないの?」


『これ1つだけでしたら“たまたま”で片付けられますが、

成田捜査官が関わった事件を調べていくと、

彼は要所要所で解決に繋がる働きを見せています。


ある殺人事件で、雲を掴むかのような容疑者探しをしていた最中、

職質した男の衣服から、

被害者の“髪の毛”を発見したケースは、
圧巻としか言いようがありません。』