「お前、男のくせに何ビビってたんだよ!?

シオリに一方的に暴力振われて、
情けね・・・

・・・・・!!!?」




・・・あちゃ~・・・・


意気揚々と中野に説教を始めようとしたところで、

小泉の右ストレートが成田の頬をクリーンヒットした。


彼女・・恐らく空手は有段者だな・・。


「・・・えぇぇぇ~・・・
なにするんすかハルカさん!?」


「“被害者を責めたら私が殴る”って言わなかった?」







『神野くん。』


「はい。」


『私から話します。
イヤホンを成田捜査官へ。』


「・・了解。」








『月本です。』


「月本先輩見ました!?
親父にもぶたれたことないのに!!」


『お大事になさってください。

それより、“黙殺の統計”という言葉を耳にしたことはありますか?』


「・・・・なんすかそれ・・?」


『例を1つ出すと、
自殺者の統計があります。

厚生労働省の調査によると、日本ではおよそ年間3万人もの方が自ら命を絶っている。』


「・・・・・・・・。」


『しかし、“実際は5万人だ”と見識者には言われています。』


「・・・どういうことっすか・・?」


『死体が挙がらないと“自殺”とは認定できません。行方不明扱いは黙殺しているという事です。』


「・・・・・・・・・・。」