『神野くんは1つ勘違いをしているようなので申し上げておきます。』


「・・・なんですか?」


『私が一番に信じているものは、

オオスカワ署の皆さんの捜査内容でも、
小泉捜査官の勘でも、
中野氏の証言でも・・・

“事実”でもありません。』


「じゃあ・・何を・・・?」



『仲間の意見です。』


「・・・・・・・・・・・・。」


『小泉捜査官の勘を信じる、
神野くんの判断を尊重します。

上原さんを殺害したのは別の人間と断定して・・真犯人を探しましょう。』


「ありがとうご・・・。」





「大体さ!!」


・・・・・?

せっかくちょっと良い雰囲気になったのに、
チャラ男の怒声がリビングに響く。


いつの間にか席を立った成田が、

部屋の隅で相変わらず体を丸めて憔悴している中野を指さしていた。