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“中野の元へ案内してほしい”
どうやら小泉は俺とヒデさんを信用してくれたらしい。
黙って頷いてオオスカワ署を出たので、
俺も後ろに従う。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「昼間の元気はどうした?」
「・・・逆に・・なんで神野先輩はそんな冷静なんですか・・?」
俺の隣を歩く成田は・・
持ち前のチャラさが消え、
小泉の後ろ姿をなんとも言えない表情で見つめていた。
「気晴らしに一つ質問してやろうか?」
「・・・・脈拍測ろうとしてるんなら勘弁してください・・。
オレ・・多分今MAXドクドクです。」
「お前みたいな素直な奴には使わないよ。」
「・・・・・・・・・・・。」
「“サッカー選手”
って聞いて誰を思い浮かべる?」
「・・・・いきなりなんすか・・?」
「“ブラスバンド部の部長”って聞いて、
どんな人物を思い浮かべる?」
「・・・・・すんません。
今そんな雑談に付き合う余裕無いっすよ。」
「・・・意外と真面目なんだなお前。」