同じクラスと言っても太陽と月くらいの差がある私達は、話すどころか目すらあったことがないと思う。


それなのに。

なんで。



「どこから見てたのかな?」

爽やかな笑顔で近づいて来る兵藤君が怖い。

この人確か鬼とかなんとかそうゆう感じのあだ名?異名?無かったっけ。



あぁ、怖い。



「そ、そんな、見てたなんて人聞きの悪い。…私は何も見てないし、聞いてないです!!」


「ほんと?」

「…………はい」


いやね、ビンタされてるところとかクズ男言われてるところとか見たのはこの際スルーで行こう。


それより、打たれて真っ赤になってる兵藤君のほっぺは大丈夫かな?




「…………」

「あの、兵藤君」



何も答えない兵藤君にどうすればいいのか分からなくなる。

やっぱり、嘘ついたのバレた…かな?

恐る恐る