ているだろう。また一歩、少し下がる。 「あ、逃げんの?」 イタズラっぽく笑っている。今、彼の頭に悪魔のツノ があるように私は見えるぞ。 「行く時は一人で行けるから!だ、だからじりじり近づかないで…!………ひゃあ!」 滑って転けそうになる。咄嗟に手首を掴まれ、床に倒 れる。気づけば、頭を手で支えられている状態になっ ていた。顔が近く、そして熱い。目も少し熱く、涙目