大水槽が間近にあるのに、魚を使った料理を食べる気にはならない。
少しでも気を紛らわすために大水槽に目を向けようとしたとき、玲人が何かを思い出したのか、声を上げた。
実は今朝、玲人は自分の朝食作りをしたことを話し出した。
今朝の出来事は特別なことはなく、それだけのことをなぜ話題にするのか黙って続きを聞いた。
「ご飯にじゃがいもの味噌汁、卵焼き、それと・・・・・・」
「それと?」
「冷凍庫に鯵が入っていたから、それを焼いたんだ」
「鯵?」
さっきまで泳いでいた鯵のことを思い出し、史菜は膝の上に乗せている拳を見つめた。
しばらくの間、魚料理を食べることができないことを考えていると、店員が料理を運んできた。
「食べよう、史菜ちゃん」
「うん・・・・・・」
玲人の明るい声のトーンに史菜は不安を覚える。
「海の幸フライ、どれでも好きなものを食べていいよ」
「いらない」
冗談じゃない。今朝のおかずのことを聞かされた上に食べる気なんてしない。
「じゃあ、ミートスパゲティを一口だけもらってもいい?」
「どうぞ」
皿を押し出すと、フォークに巻きつけているミートスパゲティを食べた。
「何するの!?」
「食べたんだよ?」
しっかりと手を握られていて、史菜は周囲の視線が気になった。ヒソヒソと話をされてしまっている。
赤面状態の史菜の頬をすっと撫でる。
「真っ赤になって可愛いね」
「もうっ!」
少しでも気を紛らわすために大水槽に目を向けようとしたとき、玲人が何かを思い出したのか、声を上げた。
実は今朝、玲人は自分の朝食作りをしたことを話し出した。
今朝の出来事は特別なことはなく、それだけのことをなぜ話題にするのか黙って続きを聞いた。
「ご飯にじゃがいもの味噌汁、卵焼き、それと・・・・・・」
「それと?」
「冷凍庫に鯵が入っていたから、それを焼いたんだ」
「鯵?」
さっきまで泳いでいた鯵のことを思い出し、史菜は膝の上に乗せている拳を見つめた。
しばらくの間、魚料理を食べることができないことを考えていると、店員が料理を運んできた。
「食べよう、史菜ちゃん」
「うん・・・・・・」
玲人の明るい声のトーンに史菜は不安を覚える。
「海の幸フライ、どれでも好きなものを食べていいよ」
「いらない」
冗談じゃない。今朝のおかずのことを聞かされた上に食べる気なんてしない。
「じゃあ、ミートスパゲティを一口だけもらってもいい?」
「どうぞ」
皿を押し出すと、フォークに巻きつけているミートスパゲティを食べた。
「何するの!?」
「食べたんだよ?」
しっかりと手を握られていて、史菜は周囲の視線が気になった。ヒソヒソと話をされてしまっている。
赤面状態の史菜の頬をすっと撫でる。
「真っ赤になって可愛いね」
「もうっ!」