「あ、ごめん。嫌だった?」

「どうして、その呼び方。」

「んー。俺の中で自然とそう呼びたいって思ったから。」

そう呼ばれるとみっくんを思い出す。私のことをそう読んでいたのは
みっくんだけだった。と言うよりお互い小さいときから、みな、みっくん
だったし周りの子も私やみっくんのことをそう呼ぶ人は誰もいなかったし。
でも、やっぱり自分の中ではそう呼んで欲しいのはみっくんだけだった。
それは今も同じ。そう呼ばれると、胸が張り裂けそうなくらい
辛くなるのにでも、なぜか小城くんに呼ばれると、どこか安心感があるんだ。

「ううん。大丈夫。そう呼んでくれて、いいよ。」

いつの間にかそんなことを言っていた自分に自分で驚いた。

「そう?じゃあ俺のことも尚緒でいいよ。」

いきなり呼び捨てはきついから尚緒くん?になるのかな。

「じゃあ、尚緒…くん?」

「うん!そう呼ばれるの、久しぶり。周りの奴らはみんな尚緒だから。」